移築計画さなかの大地震
揺れることで建物を守る構造
移築計画が進んでいくさなかの2007年7月16日の午前10時半頃、中越沖地震が発った。そのとき、寺の世話人さんのお宅でお盆のお参り中だった。どこで地震が起きたかわからないなか、ちょうど民家の移築計画の話をしていた。
震源地が、柏崎の近くで、被害がでたということがわかり、すぐに設計士さんと見に行くことにした。
被害は、下屋(げや)が崩れ、建具はほとんどが飛ばされ、土壁はかなり剥落して落ちていた。しかし、母屋は多少のゆがみはあるものの、瓦一枚落ちていなかった。
当主云、「これで大きな地震を3回経験したけれど、今回が一番揺れた。建物が1メートルは揺れた感じだ」そうだ。
大きな地震を三度経験したこの建物は、多少の被害を受けながらも、立派に建ち続けてくれた。建物が大きく揺れることで、建物そのものを守っている構造が、日本建築なのだということがわかった。
関東でも大きな地震が来るだろうと言われているが、耐震も大丈夫ということが証明された。
2007/07/21
2007/09/08
こちらのページでご紹介した古民家は現在、髙願寺の境内へ移築作業が進められています。髙願寺オフィシャルブログ「至心學舍建築日記」コーナーでは至心學舍の現在の建築状況を住職がレポートしていますので、そちらもぜひご覧ください。